スケープゴート

発端では教授への疑惑、って感じで騒がれ始めてたのに最近ではすっかり COI 違反ということで会社バッシングのみがなされてる。
今時、これくらいの規模の試験において、統計解析やあるいは症例採否に操作をくわえることで望みの結果を導けるものなのかなあ。ましてや、会社(員)の一存で。
でも、世の中の風潮は、「悪い製薬会社が自分たちの都合のいい結果を作り出すために社員をこっそり送り込んだ」てなところか。あの人やあの人もきっとその論調で「それみたことか」とコメントを発してくるのだろう。

大規模な臨床試験を行うには決して十分な額といえず、約3000人を対象にした医師主導のKYOTO試験は資金的に厳しい状況下で行われた可能性が高いと指摘し、「十分なリサーチができなくて、ずさんなデータクリーニングになったと理解している」と語った。

ディオバン問題で日本医学会  論文の「COI申告違反」を認定(日刊薬業
とのことですけどね。まあ、一般論としては、ランダムな「ずさん」なら差が出なくなる方向にノイズが入るはずで、今回の結果はその逆ですからある意図を持った「ずさん」だったのでしょうか。
それにしても、

高久・日本医学会長  ノ社と取引停止の府立医大に「やり方おかしい」 (link)

これは全くその通りだと思う。典型的なスケープゴートだね。
製薬会社に近い立場の人間として擁護しているのではないです。製薬会社が「それ」に近いことを普段しようとしていることも事実ですしね。でも、この規模の試験でそこまでできるか? リスクも大きいし。
でも、リテラシの低い一般の論調はすっかり決まってしまったな。