読売夕刊のコラム「よみうり寸評」

ノロウイルス感染に気付くのが遅れて 6 名の死者を出した病院を大手新聞のコラム執筆者がよく使う皮肉口調で批判する。「一人で診療している開業医の敏感さも持ち合わせていないのか」。立派ですね。さすが公器。
末尾ではこう書く。

ひところ人間は抗生物質で疾病を克服したなどと考えたのは思い上がりだろう。しぶとく変異するウイルスの逆襲に油断は禁物だ。

「逆襲」と書いている以上、いったんは抗生物質がウイルスをやっつけたわけだ。だから今私たちは「油断」していると。さすが、いいこと書くなあ。公器なだけある。



自分がそれほど詳しくない分野の新聞記事を信じることの危険もここにある。別に医学が取り立てて難しい分野というわけもなかろう。勉強すればいいだけの話だ。勉強したうえで書くのがプロの記者だろう。自分が知っている分野の記事に誤りがある。したがって、自分が知らない分野の記事にも誤りが含まれる率は低くない。