迷路の夢

 小学生のころときどき見ていたいやな夢。迷路の中を歩いている。出口を探している。そしてそれをときどき上方から俯瞰できる。だから、ゴールまでにまだどれくらいの道のりがあるのかがわかる。さらに、どれくらい迷わなければならないかがわかってしまう。俯瞰している存在と、迷路を歩いている存在は別。さ迷い歩くのが苦しい。
 そんな夢を、この写真を見ながら思い出した。

 たとえばここに、歩いた道路の線を引いてみよう。上から見ると、こんなに歩かなければならない、とわかる。しかし歩いているときにはそんな見方はできない。いや、正確には「できなかった」。今だったら、その行程が思い出せるから当時よりは苦痛だろう。



 今夜はまた悪い夢を見るかもしれない。