臨床統計かくあるべし

誰も教えてくれなかった癌臨床試験の正しい解釈

誰も教えてくれなかった癌臨床試験の正しい解釈

 これを読んでいる。括弧が多用される粘着質の文体は結構読みにくい。しかし、「統計」の利用の仕方として、私が思うに一つの理想がここにある。
 もちろん、「統計」と言ってもそれを仕事にする以上、いろんな関わり方があってよい。計算をして数字を出すことをゴールとしたっていい。いかに早く美しく結果を出すか、も重要な 'endpoint'(誤用^^;)です。
 しかし、全員がそうであっては困る。出てきた数字を解釈すべき人もいる。解釈したうえで結果を提示すべき人です。だが、残念ながらそれができていない人。
 そして、そのもう一段上に、統計的に解釈された結果を臨床的に考察し、批評するという仕事が待っている。
 この本にはその実例が詰まっている。(自分自身にも言うのですが)ここを目指してほしい。ここを目指す人を育成したい。