大船

 どうしてこれを「おおふな」と読むのか以前から不思議に思っていた。船という字は単独では「船」と読む。後に名詞が続く時はじめて「ふな」と読む。たとえば、船乗り、船大工。「船」で終わる一般名詞で「ふな」と読む例はないのではないか。「大船観音」を「おおふかんのん」と読むのはだから納得できる。しかし、「大船」という地名よりも大船観音の方が歴史は明らかに浅い。もともと「大船」を「おおふな」と読ませる何かがあったのだろうか。
 当時僕は冗談で「おおふね」と言っていた。京浜東北線の「おおふね行き」が来たよ、と送っていた。
 唐突にそれを思い出した。