今日の本

未来を予測する技術 (ソフトバンク新書 46)
 読了。
 シミュレーションが認知され、裾野が広がるのはよいことである。しかし、コンピュータ・シミュレーションという「おもちゃ」に興味があってプログラミングのみに走り、背景(たとえば、医療、薬)を考えない人がどうしてもでてくる。物理系シミュレーションが普及した時代にもそういった人は見られたという。もちろん、プログラミングあるいは統計数理に長けた人材は必要である。ただ、それだけでは足りない。
 もっとも、現在、薬の Modeling & Simulation 分野で成果を上げている研究者も、その出自、興味のオリジンを問うならば、数学あるいはコンピュータにある場合が多いかもしれない。それもまだ黎明期だから許されるか。
 なお、本書からはいまいち熱い思いが伝わってこない。それは一つには著者自身が地球シミュレータの開発者ではないためであろうか。もう一つの原因は構成のまずさにあると感じる。文章の全体的構成、あるいは文そのものの文法的構成いずれも、いわゆる「理系の文章」の感がぬぐえない。ソフトバンク新書にはまともな編集者がついていないのだろうか。