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不確実性のマネジメント 新薬創出のR&Dの「解」

不確実性のマネジメント 新薬創出のR&Dの「解」

 ではなぜ、医薬品の研究開発はこれほどまでに成功確率が低いのだろうか。その最大の理由は、化合物の有効性(薬効)および安全性に関する事前評価の難しさにある。自動車をはじめとした多くの産業では、目標機能を発揮するための製品構造(部品の組み合わせ)は、事前にかなりの程度予測できる。それに対して医薬品の場合、実際に化合物を作って評価してみなければ、目標とする薬効をもっているのか、毒性はないのかといったことがわからない。
 人体は「小宇宙」とも呼ばれるように、現代の科学技術をもってしても未知の部分が膨大である。自動車のように技術が成熟した製品・産業と違い、ある製品構造(化合物)とそれがもたらす機能(薬効・毒性)の間の因果関係が十分特定されていない。そのため医薬品の研究者は、常に因果関係知識が不足している状態で、試行錯誤的に研究開発を進めなければならない。(p.18)

 で、M&S。