今日の本

高校生のための哲学入門 (ちくま新書)

 信じること

疑いを晴らすために経典を再読三読し、先達の教えを乞い、みずから思考を重ねる。それは仏道参究の重要な方途の一つで、親鸞自身、そのような参究の成果として漢文の『教行信証』を著している。が、(...)。あやふやな信を観察や知や理解が補強するのではない。観察や知や理解を振り捨てて、あやふやなものをあやふやなままに断固として信じるのが宗教的な信だ、自分はそういう信に生きる、そう親鸞は言うのだ。(p.174)