今日の本
- 菅野覚明 『神道の逆襲 (講談社現代新書)』
- スティーヴン・セン 『確率と統計のパラドックス―生と死のサイコロ』
- 以下の部分だけ引用するのは誤解の恐れがある.著者はセンであることを忘れないように.
- 臨床薬理学者はせめて中型ネコ科動物くらいかな.
統計学は研究の監視役で,何にでも反対する創造性のない帳簿係だ.数学が科学の侍女なら,統計学は科学の娼婦だ.(...) 統計学者は,数学者としては二流,科学者としては三流,思想家としては四流とされる.科学の生態学ではハイエナやジャッカルやハゲワシのようなものだ.大型のネコ科の動物,つまり生物学者,物理学者,化学者がしとめた獲物の骨や腐肉をつつくのである.(p.12)
実際に新薬や治療法の効果を判断する場面で,統計学者の出る幕やその判断が,それを求める側の医師や製薬会社の思考様式と合致しないことをうかがわせる.統計学的判断は(たぶん,統計学的に正しければその分)嫌われるものらしい.(訳者あとがき.p.379)