ポアソン分布の確率
「朝日新聞に見られるアスベスト中皮腫報道のいい加減さ」(内科開業医のお勉強日記)より.
http://intmed.exblog.jp/2209149/
- いろいろと計算されていますが,,,トラックバックにも疑問が寄せられていますが...
- 問題を整理する.中皮種の発症率は 1 / 14 万人 / 年.そして,「2000 年以降,ある地域の住民 15,000 人の中での発症患者数がその 9.5 倍になった」.この '9.5' という数値は有意か否か?
- 2000 〜 2004 年までの 5 年間で考えることにする.そうすると,新規患者数は 5 人であったはず.
- (話の流れを随分省略しますが)このときの確率は 0.000236.
- 「もとが産業疫学の専門家だろうから、間違いないはずなのだが・・・」と思ったが自分で計算してみたところ,「統計学的には意味のない記事であるにもかかわらず、それを朝日は9.5倍も・・・と確たる事実かの如く、記事にしているのである」という結論になった.
統計の専門家が述べているとのことだが、この専門家のレベルが相当低いか、もしくは、取材源を理解せず、あるいは、理解しようとせず、く有意差検定などの話を無視して、結果だけを仰々しく、センセーショナリズムとともに吠え立てるのではないか。
おそらく私たちのマスコミとの接触の経験だと後者が正しい。9.5倍という事実とそれが正しい(あるいは誤りである)確率の問題は別であるということを、おそらく高学歴であるが、統計学を知らない・無視する記者は比率や倍率だけを報道するということを知っている(細木数子が売らない*1が統計学だといいながら統計学の用語を全く使わないどころか、概念自体を理解してないのと同じレベルだろう)
新聞記事というのは所詮この程度のものなのだろう。・・・これを、読者は知らなければならない。
- 世にあるブログというのは所詮この程度のものなのだろうか.・・・これを,読者は知らなければならない.
- もちろん,ここだって同じこと.
- 念のため,朝日新聞の元記事も貼っておきます.「半径500m内、中皮腫死亡率は9.5倍 クボタ旧工場」
- 奈良県立医科大学の車谷典男教授(産業疫学)の検索結果.
*1:ママ.もちろん,占い,のこと