今日の本
- 柴門ふみ 『ぶつぞう入門 (文春文庫)』
- 巻末,瀬戸内寂聴との対談
瀬戸内 柴門さんはなぜ,いま,そんなに仏像にひかれたんですか.
柴門 もともとは美術品として好きだったんです.きれいだな,とか,上手につくってるなって・・・・・・.そういうふうに見るうちに,ありがたさが,だんだんわかってきました.仏像関連の書物を読むと,私はすごく仏教に近いとわかってきて,そんなに信心深い人間じゃないんですけど,ますますひかれている感じがするんですね.
瀬戸内 偶像を拝むのはおかしいといいますよね.私たちが信仰する場合,尊いとか仰ぐとかって,光のようなものでしょう.だけど人間というのは,情けないことに具象で示してくれないと,光のようなものには拝みきれないんですね.やっぱり形がほしい.そこで仏師が生まれるんです.
- トルストイ 『アンナ・カレーニナ(中) (新潮文庫)』
- アンナが出てこないとつまらない.田舎生活を読まされるのは実に退屈.貴族トルストイにとっては重要なことだったんだろう.夢だったのだ.